Prince of Vampire 7 (ページ4)

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自らを抱えているその腕の持ち主をようやく見上げると、

「っ、」

心臓がギュッと締め付けられる。

名前を呼ぶよりも先に、

向こうから顔が近付く。

「…、っ、」

唇が、重なった。

その感触に、強張っていた力が抜け、

10秒くらい、

受け入れ、離れた後、

「…クリスマスくらい、
他の誰でもなく、俺と過ごそ？」

深く見つめられる。

「…来てたの？

いつから？」

ぼーっとした感覚の中、
少しずつ頭が動く。

「今日来たばっか。
さっき宮近にメールして、Aには内緒にしてもらった。
場所も宮近から聞いた。」

「そっか。」

あまりに急で、
心臓の鳴りが収まらない。

「…こんな人前で大胆やなぁ。」

海斗との通話を終え、事態を理解したであろう紫耀くん。

「俺のAもらってくね。」

顕嵐はその一言だけ残し、反対方向へと歩き出した。

「っしょ、」

イルミネーションの中央で、私を降ろす。

「すげー、綺麗だね。」

平然と言うけど、

「…、びっくり、した。」

今になってようやく、
顕嵐が隣にいること、
わざわざ日本から来てくれたこと、
頭が追いついて。

「メール、返事なくなったから心配した。忙しかった？」

少しだけ寂しそうな顔をする顕嵐に、

「ごめん、大学に集中してた。」

まだちょっと緊張する。

「そっか。頑張ってるんだ。」

「…うん。ごめんね。」

「いいよ、久しぶりに顔見れて嬉しいから。

…A、」

顕嵐は見つめたまま、もう一度、キスをくれた。

「…こんな人前で、初めて。」

「ロスじゃ知り合いもいないし、周りのアメリカ人もこんな感じだし、俺らもアリだろ。」

やっぱりその笑顔、好きだなぁ、

釣られるように、
幸せな気持ちのまま、
顕嵐を見上げながら、
自分の口角が上がるのを感じた。