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「…顕嵐も永遠の命を生きるため、いずれ誰かを転生させるの?」
自分がなぜその質問をしたのか、分からない。
でも、
「父さんには、
母さんを、もしくは会社に必要な幹部の誰かをって、言われてる。」
「…。」
「でも母さんはきっと
吸血鬼になることは望まない。
元々両親は年の差で8つ離れてたけど、
父さんの歳が止まったことで、今は同い年。
来年から、母さんが年上だ。
だから父さんは母さんを不死身にしてあげたいんだと思う。
だけど母さんはきっと自分だけ年老い、
死ぬことを望む気がする。
俺と弟、二人を育てきったら。」
「そうなんだ、」
「母さんとはあまり最近話してない。
父さんが俺を転生させたこと、もう7年も前だし気付いていると思うけど、母さんは俺のこと人間として育ててきて、今もきっとそうであってほしいと願ったはずだろうから。」
「…、」
何て言ったらいいか、わからなかった。
吸血鬼と人間が夫婦になること、
子供を宿し育てていくこと、
片方が不死身になること、
もう片方が受け入れること、
それは簡単ではない、大きな選択なんだ。
顕嵐もいつか不死身になるなら、
お母さんだけじゃなく、
私との別れも来る、 、
吸血鬼になることって簡単なことじゃないんだ。
「…じゃあさ、顕嵐はもし近くに吸血鬼がいたら、気付く?
もしくは、向こうに気付かれるの?」
本題へと向けて行く。
紫耀くんのこと、
少し気になって一応聞いてみた。
「うん。分かるよ。すれ違ったらお互い目で見ちゃうだろうね。宮近ともそれで知り合った。」
「結構いるの?
例えば、私たちの周りとか。」
「…いない。」
顕嵐は一息吐いてから、断言した。
「最近も学内とかダンスの会場とか、人がたくさんいるから一応アンテナ張ってるけど、いないね。」
良かった、
なんとなく安心しつつも、
だったらなぜ紫耀くんは、
顕嵐が吸血鬼だと分かったんだろう。
まさか私と同じ、身近に吸血鬼がいる、?
いや、吸血鬼とは言ってない。
人間じゃない、としか言われてない。
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作者名:踊れる人大好き芸人 | 作成日時:2016年12月5日 15時