107 ページ19
宮近はそう言うけど。
「諦められるの?
前より好きになったのに?
Aってのは、一緒にいればいるほど、好きになればなるほど、その気持ちに応えてくれるよ。
ますますお前を好きにさせると思うよ。
Aと親友やめて絶縁する覚悟じゃないと、お前は諦められないと思うし、
そんなことしたらAが傷つく。」
それに俺も、そんな譲られ方、嬉しくない。
「もう宮近の気持ちだけの問題じゃないんだ。
ここまでAに意識させといて。」
「…、」
宮近が黙ってしまう。
責めたように思われたかな?
俺は、煮え切らない宮近を尻目に覚悟を決めた。
軽い気持ちじゃない。
「あのさ、俺のこと、宮近のサークルに入れてくんない?」
「え?」
「お前が真剣にやってるの知ってるから、そう簡単には行かないの分かる。
でも、俺はお前のライバルだから、俺もAに釣り合うように自分磨くよ。
だってさ、俺が彼氏っていう条件でAとのこと、真剣に戦うんだ。
だから俺もお前の元々いるフィールドに、ただ羨ましがってないで、入り込む努力するよ。
お前は俺に遠慮しないでドンドン上達すればいいし、俺は俺で、お前に遠慮しないで、Aとこのまま愛し合えるように頑張るから。」
「いいの?」
宮近は大きな瞳で俺を見つめる。
「それはこっちのセリフだから。」
さっきまで戸惑っていた宮近の目が、凛々しく変わった。
「Aのことは、正直二人ならお似合いだと、俺は今も思ってるよ。
でも、ダンスなら絶対負けない。
俺のプライドかけて。」
と思いきや、
またしてもふにゃっと笑い、
「でも正直争うとかじゃなく、お前と一緒にやれるの、すっげー楽しみ。
だから嬉しくて、いいの?って言っちゃったじゃん。
もう即、travisのみんなに、掛け合ってみるよ。」
と垂れ目を更に垂らした。
625人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「TravisJapan」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:踊れる人大好き芸人 | 作成日時:2016年12月5日 15時