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宮近はそう言うけど。








「諦められるの?


前より好きになったのに?




Aってのは、一緒にいればいるほど、好きになればなるほど、その気持ちに応えてくれるよ。


ますますお前を好きにさせると思うよ。




Aと親友やめて絶縁する覚悟じゃないと、お前は諦められないと思うし、


そんなことしたらAが傷つく。」






それに俺も、そんな譲られ方、嬉しくない。




「もう宮近の気持ちだけの問題じゃないんだ。


ここまでAに意識させといて。」









「…、」






宮近が黙ってしまう。
責めたように思われたかな?






俺は、煮え切らない宮近を尻目に覚悟を決めた。




軽い気持ちじゃない。




「あのさ、俺のこと、宮近のサークルに入れてくんない?」






「え?」






「お前が真剣にやってるの知ってるから、そう簡単には行かないの分かる。


でも、俺はお前のライバルだから、俺もAに釣り合うように自分磨くよ。


だってさ、俺が彼氏っていう条件でAとのこと、真剣に戦うんだ。




だから俺もお前の元々いるフィールドに、ただ羨ましがってないで、入り込む努力するよ。


お前は俺に遠慮しないでドンドン上達すればいいし、俺は俺で、お前に遠慮しないで、Aとこのまま愛し合えるように頑張るから。」








「いいの?」






宮近は大きな瞳で俺を見つめる。






「それはこっちのセリフだから。」




さっきまで戸惑っていた宮近の目が、凛々しく変わった。






「Aのことは、正直二人ならお似合いだと、俺は今も思ってるよ。


でも、ダンスなら絶対負けない。


俺のプライドかけて。」






と思いきや、

またしてもふにゃっと笑い、






「でも正直争うとかじゃなく、お前と一緒にやれるの、すっげー楽しみ。

だから嬉しくて、いいの?って言っちゃったじゃん。


もう即、travisのみんなに、掛け合ってみるよ。」




と垂れ目を更に垂らした。

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作者名:踊れる人大好き芸人 | 作成日時:2016年12月5日 15時

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