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コテージの二階。
Aの一人部屋に連れて行き、ベッドの上に置く。
「海斗…、」
意識が少し戻ったのか、俺の名前を呼ぶ。
目も少し開いて俺を見つめる。
「どうした?飲みすぎたの?」
Aの頰にペチペチと手を置く。
「ん、ありがと、」
Aはじゃれるように俺の手を払おうとする。
それを無視するように、また頬を指先で叩く。
「んー、やめてぇ、」
ふわふわとした表情で、弱く抵抗するAだけど、
やめてって言いたいのは俺ってくらい、甘い声。
そんな声、出せんの。
てか顕嵐の前では出してんだ。
…はぁ、
心の中で溜め息。
顕嵐に頼まれてるんだ、Aのこと。
なのに、
目の前には酔って可愛く甘えるA。
目を反らすつもりが、つい飽きずに眺めてしまう。
そのまま、Aのベッドに腰掛け、二人きり。
俺の腕にはAからもらったブレスレット。
顕嵐だけじゃなく、俺にもこういうカッコイイの似合うと思って買ってくれたんだ。
…調子狂う。
俺は頭をポリポリしながら、どうしよっかなと考えていた。
だけど、目の前のAは酔っているという事実。
しかも俺のためにお酒を飲んで。
このシチュエーションは、少しくらい思い出作ってもバチ当たらないんじゃないか?
そう思い始めている自分。
「A、」
とりあえず呼んでみた。
「な、に?ちゃかちゃん。
おめでとう、ちゃかちゃんっ。」
ふふ、と笑う。
…あー可愛いなぁ。
顕嵐が羨ましくなるじゃん。
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作者名:踊れる人大好き芸人 | 作成日時:2016年12月5日 15時