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愛する王子様の登場。
「Aとあんまりイチャイチャすんなよ。
もう俺のだから。」
「おまえがそんな束縛野郎だったなんて、知らなかったわ。」
「え、束縛じゃないから。普通普通。」
顕嵐が真顔で否定する。
海斗はふてくされると、
「A、次の土曜日、覚悟しとけよ？」
と私に耳打ちする。
「土曜日？」
「は、余計なこと言うな。」
「土曜日なにかあるの？」
「A大丈夫だから。心配しないで。」
顕嵐は海斗を羽交い締めにしながら、笑う。
平気とばかりに。
でもたまに遠くを見て、
唇を舐め、少し落ち着かなさそう。
「宮近、そういうのは自分でやるからいいんだよ。」
「んだよ、顕嵐に協力してやろうと思ったのに。」
二人がその後、肩を組んでヒソヒソ話してる内容、吸血鬼じゃない私にも聞こえてるよ…？
…
その日の夜は、
夏の暑さを感じていた。
クーラーもあるけど、風邪を引きたくないから夜はつけない、
窓を開けて寝た。
顕嵐が知ったら、
危ないとか怒られるかな？
あの襲われた日から、過保護なくらい、守ってくれるから。
うとうとしながら、
それでも暑くて目がさめる。
「顕嵐、」
目を閉じたまま呟く。
意識はある。
でも、
この名前を口にするのが好きで、
つい本人と一緒にいなくても、
声にして呼んでしまう。
「顕嵐、」
愛を込めて呼ぶ、
幸せな気持ちになる。
それだけで。
その瞬間だった。
違和感を感じた。
ギシッ
ベッドの揺れ、
え、、。
戸惑いつつ、
目を開けた。
…え？
「なに俺のことそんなに好き？」
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作者名：踊れる人大好き芸人
| 作成日時：2016年12月2日 17時
