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「…出会ってすぐに、いつかAにだけは打ち明けること、宮近と決めてたんだ。
俺とあいつは普通の人間じゃない。」
「うん。」
Aの手は一切強張りを見せない。
「…吸血鬼、だ。
でも、本来は人を襲わない。
人の血も、吸わない。」
「なんとなく、人間じゃないことまでは分かってたけど、
そういうのが、実在したなんて、知らなかった。」
「普通そうだよ。…ごめん。」
「ううん、話してくれてありがとう。」
「…それだけ？」
「うん。だって顕嵐は悪い人じゃないもん。
教えてくれてありがとう。」
「ごめんな、なかなか言えなくて。」
「でも、もっと顕嵐のこと、知りたくなった。気になった。」
え、？
「理解してあげられるとか、簡単には思わないよ。
顕嵐や海斗の苦悩って、大変なものだと思うから。
でも、顕嵐が好きだから、顕嵐のこと、もっともっと知りたいよ。」
だめ？
そう言わんばかりの瞳で、俺を見つめ、近付いてくれたA。
「俺のこと、怖くない？」
「怖くない、
むしろ、前より近くに感じる。」
いつかは止まるはずだった時が進んだ、
そんな気がした。
「じゃあさ、
もっとAに近付いてもいい？」
本能、ではなく
愛、が抑えられなくなった。
目の前の愛しい生き物、
愛しいパートナー。
ゆっくり、俺から顔を近付けた。
「好き。」
初めて、Aにキスをした。
優しく、
お互いの愛情を、
出会ってからの絆を、
これからも続く信頼を感じるように。
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作者名：踊れる人大好き芸人
| 作成日時：2016年12月2日 17時
