Prince of Vampire 2 (ページ40)

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深夜。

眠るAを勝手に横に乗せドライブに出かける。

眠らない俺は、山の方へと車を走らせる。

すると、

ドンッ

車の天井に何かが乗る音がした。

…まさかな。

とは思いつつ、

一応誰もいない山道のパーキングで車を止めた。

ドアを開け、Aを起こさないよう、そっと一人で降りる。

「…やっぱりお前。」

車の上を見ると、宮近が座っていた。

「よう。」

「人間に見られたらどうすんだよ。」

「外をランニングしてたらお前のボルボを見かけてさ。

デート中にごめん。

相手は眠っているようだけど。」

「深夜だから。

俺らはともかく、Aは寝せないと。

明日も大学だし。」

「そっか。最近、ずっと一緒なの？」

「うん。今日も、俺んちで一緒だった。」

「順調そうだな(笑)。」

「お陰様で。」

宮近はからかうというより、本当に嬉しそうだった。

「正直人間とまともに付き合うってどうなんだ、って分かんなかった。

でも、顕嵐とA見てたら、アリなんだなって。

勇気もらえるよ。」

その言葉に、

「すげー幸せだよ。」

惚気って思われようと、俺は本音で打ち明ける。

自分の本能を理解し、受け入れてくれる女性がいること。

「Aを壊すかもって不安はないの？」

「不安はないと言ったら嘘かな。

こないだ、Aと寝てて。

もちろん俺は起きてて、Aを胸に抱いて飽きずにずっと眺めてた。

そしたら急に俺の胸に冷たい水みたいなのがついて、

慌てて見たら涙で、その時、正直かなり動揺した。

傷つけたと思った。

終わりすら感じた。

でも、すぐにAが

『顕嵐、幸せ』

って涙流したまま寝言で。

その瞬間俺さ、やばい、もう何が何でも、一緒にいたいって思った。

だから不安以上に、今の幸せを手放したくないかな。」

俺の話を、宮近は黙って聞いてくれた。