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秋の始まり、東京はまだ暑い。
講義の最中は髪が邪魔で、結ぶことが多かった。
語学の講義にて。
「…」
隣の紫耀くんが、ずっとこちらを見てくる。
「？」
髪を結び終わり、首をかしげると、
「ずるいわ、」
そう呟いた。
講義終わり、一緒にエレベーターに乗った。
その瞬間、
紫耀くんは背後から、私に近付き、首筋を見つめた。
「え、何？」
「うん。
まぁ、こんな可愛い彼女おったらそうなるな。…若いもん。」
また一人で呟く紫耀くん。
何か言いたそう。
口を少しだけ尖らせている。
ご機嫌斜めですか？
「…なぁなぁ、
Aちゃんの彼氏って、」
ようやく話しかけられた。
顕嵐が、何？
「…絶倫なん？」
「…、え、！？」
「やってさぁ、首んところとか、すっごい痕ついてる。
最近いっつもやで？
髪降ろしてたら分からんけど、結んでるからほら、」
エレベーターの鏡越しに、サイドの所を確認する。
あ、本当だ。
「愛されてるんやね。」
紫耀くんがぼーっとしたトーンで言う横で、とりあえず髪をおろす。
「そのままでええのに。」
「え？」
「俺、Aちゃんが髪をゆったり、耳にかけるところ、好きやな。」
そんなこと言われても。
恥ずかしくて、顔が赤くなりそう。
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作者名：踊れる人大好き芸人
| 作成日時：2016年12月2日 17時
