Prince of Vampire 2 (ページ21)

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先日からAにお預けをくらっていたものの、もちろんそれだけが目的じゃない。

Aの腹痛がおさまった頃から
普通にデートを再開していた。

あのバッティングセンター以降、また月曜に戻り、"本能の波"が穏やかになると、
余計にAを紳士的な目線で見ることが出来るようになった。

あのバッティングセンターでの土曜日は大変だった。

宮近が、Aにああいうコスプレを着て欲しいだとか、勝手な予想を繰り広げて、とにかく俺を挑発するから、正直気が気じゃなくて。

宮近に彼女が出来たら仕返ししてやろうと決めた。

あいつの一人での発散方法は、大学のサークルか、例のダンススクールでの個人練だ。

……

「顕嵐！」

Aが手を振る。

「おはよう。」

「顕嵐、そろそろ誕生日だよね。」

「ああ。」

「デートしたいから、空けておいてね。」

Aがキラキラの笑顔で言う。

「祝ってくれんの？」

「もちろん！彼女だもん！」

楽しそうに笑うAを見て、
一方通行じゃなくて好き合ってる感じがして、
今までにない幸せを感じる。

「簡単でいーからな、」

とか言いつつ、純粋に楽しみで、
その日何着てこうかな、
新しい靴にしようかな、
とか考えていた。