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夜になり、フロアに誰もいなくなった頃を見計らったかのように、海斗は現れた。
コン、コン、
窓の縁をノックされ、ガラスを開けるとひんやりとした風が吹いた。
「…下もう閉まってた」
「メモ見たよ、お昼に来てくれてたんでしょ」
「ああ、」
最低限のエネルギー、淡々とした声しか出せない私を
海斗は分かってくれるかのよう、静かなトーンで接してくれた。
「…状況は聞いてるの？」
「昼に顕嵐のママさんから少し。
顕嵐は目を覚ました？」
「…まだ」
「だろうな。
でも、顕嵐のことは心配要らない。
俺らは、人間の思っている以上に強靭な身体を持っていて、生命力も違うんだ。
きっと今顕嵐が目を覚ましたら、さすがに回復が早過ぎて人目につくからって理由で、顕嵐の父ちゃんの息のかかった医者か誰かが、数日の間睡眠薬を入れている。
もうじきあいつも目を覚ますと思うよ」
「……ありがとう」
「でも、肝心なのは斗愛だろ？」
そう、顕嵐がすぐに回復することは、既に顕嵐のお父さんが私に教えてくれていた。
「私ね、どうしたらこの娘と入れ替われるんだろうって考えてる。
顕嵐があの時、命を助けてくれたけど、でも、そのまま目を覚まさない。
この後どれだけの手術をしても、ダメなんだろうなって、顕嵐のお父さんの様子を見てたらさすがに分かる。
残された時間を、ただ側にいるだけで、何も出来ないなんて、
それならあの時、あの瞬間、私が代わりになりたかった……」
「…………」
「……涙も、もう出ないの。
生きていたくないよ、
海斗、顕嵐が目を覚ます前に、私のこと殺してよ」
「……」
黙ったまま、だけど決して頷いてはくれない。
「顕嵐が目を覚ましたら、斗愛もお前もこの世にいない。
お前は顕嵐を苦しめるその悲しみを理解出来るか？
吸血鬼は肉体は丈夫で精神力もあるけど、痛みや悲しみは存在する。むしろ、神経が敏感だから、人間よりも強く感じるんだ。
俺がここに2回も来たのは、お前からそんなことを頼まれるためじゃない……」
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ふうこ(プロフ) - ヒロキだあああああああ！ (2017年7月21日 3時) (
レス) id: c7d5b947cf (このIDを非表示/違反報告)
シーカ - 一気読みしました。こんなにも胸が締め付けられて涙した作品は初めてです。みんなが幸せになることを祈ります。 (2017年6月18日 10時) (レス) id: 6f6c2244e0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆやけLOVE - 踊れる人大好き芸人さん» 大丈夫ですm(__)m バッドエンドでないなら良かったです。ちょっと色々ありすぎて不安になってしまっただけなので。 わざわざ返信ありがとうございますm(__)m 更新楽しみにしてます。作者さんのペースで頑張って下さい(^^)d (2017年5月30日 2時) (レス) id: a62276a76a (このIDを非表示/違反報告)
踊れる人大好き芸人(プロフ) - ゆやけLOVEさん» 怒涛の展開すみません…。この展開は書き始めと同時に決めていまして、ここから一気に話が動きますが、ヒロインと顕嵐くんが離れ離れになったり、誰かが絶望するようなエンドではないことはお約束致します！！更新もうちょいお待ちください！ (2017年5月29日 23時) (レス) id: 698c405fce (このIDを非表示/違反報告)
ゆやけLOVE - 初めましてm(__)m POVはハピエンなんですよね？？ ちょっと聞いておきたくて。 起きてる展開が怒涛過ぎて(>_<) 続き待ってますm(__)m (2017年5月29日 3時) (レス) id: a62276a76a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：踊れる人大好き芸人
| 作成日時：2017年5月26日 0時
