Prince of Vampire 11

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「…斗愛？


ねぇ、まだ眠ってるの？」






可愛い私の娘は、


どうして朝なのに目を覚まさないのだろう。






「…朝ごはん、食べないの？


ママ、先に食べちゃうよ、」






点滴のようなものを打たれてる斗愛と違い、


昨日の晩から何も口にせず、空腹のはずなのに、


一口何かを入れたとしても、口から喉へと進まない。






「…斗愛、ママお腹いっぱいでごはん食べられないんだ。


だから代わりに食べて？」






「…」






愛する我が子の頰に触れても、


指に触れても、




温かいのに、


ママって目を覚ましてくれない。




ギュッて握ればあれだけ嫌そうに離してきたのに、


今はもう、私を受け入れるかのよう、そのまま握らせてくれる。




それがかえって愛おしくて、


儚くて、


狂ってしまいそうになる。









『山場』



その言葉を口にされ、
日本語なのかと思う程、頭の理解が追いつかず、気を失いそうになる。




だけど一分一秒、息をする娘が愛おしくて、目を離してはいけない気がした。








この3年間、変わらずに愛していた。




産まれてきてくれて、
ちょっとずつ大きくなってくれて、


ママと初めて口にしてくれた日のことを覚えてる。






それよりもずっと前、


顕嵐との子がこのお腹に宿ったと分かったあの日のことを、私は今でも鮮明に覚えてる。

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