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…成功って?





「……俺が山中さんにお願いしたんだよね。


Aに俺のこと褒めといてって」





「…どうして」





「だってAに、職場での評価が高い夫だって思われたいじゃん。


あの人、優秀だからそういうの上手く言ってくれる気がした」





「…そんな、でも、」





顕嵐と山中さんの親密な雰囲気を思い出す。






「…凄く、顕嵐の方からも、優しくしてたから…」






「…優しく?」





「うん。荷物持ったり。


そういう優しさ、奥さんが羨ましいって山中さんに言われた、」





「…それくらいはするよ。

だってあの人、今妊娠中だよ?」






「え…?」






「山中さん、去年結婚して今妊娠2ヶ月なんだ。
来年には子供が産まれるから、退職しちゃう。


それで、元々父さんの優秀な秘書だったのに、俺のところに降りてきたの。


山中さんのご主人も、うちの会社の取締役本部長で、父さんの大事な部下なんだよ」






「……へぇ」





何という早とちり。


恥ずかしいったらない。







「…もしかして、俺が山中さんと不倫するんじゃないかって不安だった?(笑)」





「……だって、山中さんもそうだけど、


顕嵐、かっこいいから社内でモテてるんじゃないかって…」






素直に打ち明けた途端、顕嵐は優しく笑ってくれた。





「良かったねー、俺が家庭大好き人間で」




「…うん、ほんと、良かったです…」





「そんなに不安なら、見せびらかしていいよ?」




「えっ、…!」




チクッと一瞬痛みが走ったかと思えば、鎖骨の真上に吸い付かれる。






「……くっきり(笑)」






「っ、うそ…」






「これからは、Aが会社来る前の夜に、必ずつけてあげる」






「……」






「…A、どうしたの?」







「どうしよう、荷物、役員室に置いてきた。


この後どうやって会社戻ろう、」






「俺と一緒に戻って、普通に見せびらかせばいいじゃん」






「さすがに今日はまずいよ、だってサボったの丸わかりじゃん」






「……確かに。一回来た時無かったもんね。




じゃあ俺が取ってきて、家で渡す。それでいい?」






「…お願いします、」





ひとまず楽しそうに笑う顕嵐と、並んでホテルを出た。

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りりちゅん(プロフ) - いつも更新楽しみにしています!完結してしまうのはとても寂しいですが応援しています! (2017年5月25日 1時) (レス) id: c321fe6a1f (このIDを非表示/違反報告)
踊れる人大好き芸人(プロフ) - nnm2000さん» 応援ありがとうございます!頑張ります! (2017年5月17日 21時) (レス) id: 698c405fce (このIDを非表示/違反報告)
nnm2000(プロフ) - くすぐったくてキュンキュンします…頑張ってください!! (2017年5月16日 19時) (レス) id: 432ef5cf0a (このIDを非表示/違反報告)
踊れる人大好き芸人(プロフ) - ゆうなさん» コメントありがとうございます。褒め言葉として受け取って、邁進します!(笑)本当は書いてる方も恥ずかしいのですが、徐々に慣れました…。 (2017年5月15日 14時) (レス) id: 698c405fce (このIDを非表示/違反報告)
ゆうな(プロフ) - 読んでるこっちが恥ずかしくなる!頑張って下さい!!! (2017年5月15日 11時) (レス) id: 9b29f9a6ec (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:踊れる人大好き芸人 | 作成日時:2017年5月5日 20時

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