検索窓
今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:284,425 hit

486 ページ25

慌てて時計を見て、ソファーを降りようとする私に、






「待って、」






と顕嵐が腕を掴む。






「え、」






「…"え、"じゃなくて。




…帰るの?このまま」






「…そのつもりだったけど」






「斗愛は、いつまで預けてられるの?」






「今日の夕方には引き取りに行くけど、」






「なら今夜も出来ないってこと?」






「出来ない?……何が?」






「…A、最近夜、ずっと斗愛に付きっきりじゃん」






「え…」






間違いない、この視線。


顕嵐に、火を点けてしまった時の顔だ。






「だから、来月…」






「なんで来月なの?」






顕嵐の腕の力が強まる。






「…俺、てっきりAがもう俺としたくないんだと思ってた。


家だと斗愛もいるから仕方ないけど、急に会社に現れたから、正直前みたいなこと、期待した。


…実際、それは無理だって分かってる。


でも俺、チョコも嬉しかったけど、本当はチョコよりも、Aが欲しい」








熱っぽく、ストレートに言い放たれた言葉に重なるよう、


ガチャと音を立て、ドアが開かれた。









「っ、」







「……会議だから行ってくる。


でも、話は終わってないから」





念を押す顕嵐。










「資料、お運びしますよ、」




山中さんが荷物を運んだ途端、






「いいよ、重たいから俺が持つ」





サッとそれを預かる顕嵐。








「しかし…、」




「いいから、手ぶらで行って?」






その、顕嵐の女性に対しての紳士的な対応は、山中さんにはどう映るんだろう?


ちょっとまた、蚊帳の外な気分に舞い戻った私は、その光景をただ傍観していた。








「それよりさ、山中さん、今日この後特に予定ないよね?」






「……はい、」






「ならさ、Aに社内を案内してあげて?」






「かしこまりました」






「A、あとは山中さんに聞いて。


……また、話し合おうね」






そのまま、顕嵐は山中さんを連れて廊下へ出て行った。

487→←485



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (232 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
861人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

りりちゅん(プロフ) - いつも更新楽しみにしています!完結してしまうのはとても寂しいですが応援しています! (2017年5月25日 1時) (レス) id: c321fe6a1f (このIDを非表示/違反報告)
踊れる人大好き芸人(プロフ) - nnm2000さん» 応援ありがとうございます!頑張ります! (2017年5月17日 21時) (レス) id: 698c405fce (このIDを非表示/違反報告)
nnm2000(プロフ) - くすぐったくてキュンキュンします…頑張ってください!! (2017年5月16日 19時) (レス) id: 432ef5cf0a (このIDを非表示/違反報告)
踊れる人大好き芸人(プロフ) - ゆうなさん» コメントありがとうございます。褒め言葉として受け取って、邁進します!(笑)本当は書いてる方も恥ずかしいのですが、徐々に慣れました…。 (2017年5月15日 14時) (レス) id: 698c405fce (このIDを非表示/違反報告)
ゆうな(プロフ) - 読んでるこっちが恥ずかしくなる!頑張って下さい!!! (2017年5月15日 11時) (レス) id: 9b29f9a6ec (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:踊れる人大好き芸人 | 作成日時:2017年5月5日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。