Prince of Vampire 10

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# me






8ヶ月にもなると、赤ちゃんも簡単な音を話すようになる。








「ぱぁー、」




「おっ！斗愛！パパのこと送ってくれるのかー？嬉しいなぁ」




朝、出社前に娘を抱っこする顕嵐はとっても幸せそうで、見てる私まで癒やされる光景だ。









「…はぁ、可愛い」




顕嵐がいなくなっても尚、顕嵐の笑顔を思い出す。









その後暫くして、








…ピンポーン、








チャイムが鳴り、オートロックを外すとドアが開く。








「お邪魔しまーす」








久々に、"親友"を家に上げた。




斗愛が産まれてから、会いたいと言ってくれていたのに中々会わせることが出来ずにいたけど、ようやく実現だ。






「海斗、抱っこしてみる？」





「…いや、いいよ。


でも、顕嵐に似てんなー、」





二人、ベビーベッドを見下ろす。






「Aにも似てる。
顕嵐、斗愛が可愛くて仕方ないだろうな」






「もうね、顕嵐がパパって認識してもらえるようになってから、余計にメロメロって感じで。


斗愛も可愛いけど、"俺の斗愛だ"っていちいち喜んじゃってる顕嵐も可愛いの」






「顕嵐がゾッコンで可愛いって？」





「うん」




そう答えると、斗愛から目を離し、私の方を向き直した海斗に、ジッと見つめられる。





「……言っとくけど、あいつは側から見てて、お前に対しても結婚する前からずっとあんな感じだぞ？」





「そう、かな…？」





「お前どんだけ顕嵐に愛されてるか、ちゃんと分かった方いいよ」






いきなりそんなこと、海斗に言われると思ってないから恥ずかしい…。






「…分かってないかな？」






「ああ。顕嵐、結構悩んでるぞ」






「え…」









斗愛が寝静まった頃、お茶を啜りながら海斗が言う。









「…お前、顕嵐にさせないの？」








「何を？」








「"夫婦のこと"。




俺から聞くのも変だけど、Aが全然相手してくれなくなったって、あいつ嘆いてだぞ」






………あらら、そのこと。




…海斗はいつも私たちの"そういうこと"を気に掛けてくれるというか、何というか。

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