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……
「…はあ、」
幸せな我が子との生活が始まったものの、朝から顕嵐のため息が止まらない。
ただ、原因は分かっている。
年の瀬、斗愛が産まれてからそろそろ8ヶ月経つって頃。
顕嵐は今年度で大学卒業だから、その大詰めの課題と、プラスでお義父さんの会社の業務で、相当追われていた。
「A、会社行きたくない…」
「うん、行きたくないね、」
「Aと斗愛とここにいたい…」
顕嵐をそんなにグダグダにさせてしまったのには、ある原因がある。
……
それはつい昨日のこと。
私のお父さんが、忙しくてあまり家にいれない顕嵐の代わりに?、遊びに来てくれた。
「最近紫耀くんから連絡がきて」
「え?」
「元気にしてるって」
「そうなんですね」
とても嬉しそう。
お父さんはきっと紫耀くんのファンなんだろう。
「斗愛の写真を送ってあげたら、Aに似てるって喜んでたよ」
「へぇー」
「"あとちょっと俺に似てません?"だって(笑)」
「うわ、」
相変わらず紫耀くんだなって思った瞬間だった。
ガチャ、
「…冗談でもそういうのやめてください」
「…顕嵐くん」
いつ帰宅したの?聞いてたの?
「……」
その時の、気まずい雰囲気は修復されないまま、結局お父さんは帰宅。
「……はぁ」
そっから顕嵐のため息が始まった。
斗愛が眠ったのを見計らい、
「…顕嵐、」
手招きする。
膝枕をしてあげながら、
「ごめんね、なんかお父さんか…」
顕嵐の髪を撫でる。
「…俺、どうしたら認めてもらえんのかな、Aのお父さんに」
「…」
「所詮俺は父さんの子供って感じか」
「そんなことないと思うよ、認めてると思うよ」
そうは言ってみたものの、顕嵐の気持ちは簡単には満たされず、
…翌朝の、グダグダに至る。
「…会社、行かなきゃダメかな?」
「お義父さんに聞いてみたら?今日は何の業務なの?」
「社内だけじゃなく人集める大きめの会議」
「あー、もしかしてうちのお父さんも行くかも」
「…なら、行かなきゃ」
「……」
"認められるように頑張らなきゃ…"
重たい表情と言葉を残し、顕嵐は家を出て行った。
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りりちゅん(プロフ) - いつも更新楽しみにしています!完結してしまうのはとても寂しいですが応援しています! (2017年5月25日 1時) (レス) id: c321fe6a1f (このIDを非表示/違反報告)
踊れる人大好き芸人(プロフ) - nnm2000さん» 応援ありがとうございます!頑張ります! (2017年5月17日 21時) (レス) id: 698c405fce (このIDを非表示/違反報告)
nnm2000(プロフ) - くすぐったくてキュンキュンします…頑張ってください!! (2017年5月16日 19時) (レス) id: 432ef5cf0a (このIDを非表示/違反報告)
踊れる人大好き芸人(プロフ) - ゆうなさん» コメントありがとうございます。褒め言葉として受け取って、邁進します!(笑)本当は書いてる方も恥ずかしいのですが、徐々に慣れました…。 (2017年5月15日 14時) (レス) id: 698c405fce (このIDを非表示/違反報告)
ゆうな(プロフ) - 読んでるこっちが恥ずかしくなる!頑張って下さい!!! (2017年5月15日 11時) (レス) id: 9b29f9a6ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:踊れる人大好き芸人 | 作成日時:2017年5月5日 20時