Prince of Vampire (ページ10)

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「今日のAの言葉。

Aっていい子だよな。」

「うん。」

…顕嵐もAのあの瞬間に、ビビッと来たんだ。

でも、顕嵐がそんなこと言い出したのは初めてだった。

「俺らの仲間になり得る条件、『秘密を守れること』、確かに満たしてる。

顕嵐はそれでいいの？」

「ああ。」

「じゃあ、決まりか。
でも、Aにいつ、どうやって打ち明ける？」

俺も新しい仲間欲しいから、つい乗り気。

だけど。

「お前、今人間の女の子何人いる？前の学校に置いて来た子。」

顕嵐に聞かれたのは、俺のちょっとしたプライベート。

「え…？6人。」

「じゃあ、7人目はダメだ。

打ち明けるのは俺だ。」

うそ、もしかして、

「えっ！打ち明けるってそういう意味？」

俺と顕嵐の考えは違っていた。

「仲間にするんじゃなくて、人間のまま、パートナーとして？」

「うん。俺はAとならいいと思った。」

顕嵐はあっさりと言うけど。

「それはやだ！絶対やだ！」

俺は分かりやすく駄々をこねた。

「なんでだよ。」

「ぜってー無理。なんだよそれ。
お前にとられんの！？」

「いや、まだお前のじゃないし。」

うわ。

「…でもさ、俺もAがいたら、女の子6人とも、きっちりお別れするよ。」

「ふーん。」

俺が顕嵐より"本能"に弱いの知ってるから、きっと信じてないな、そういう顔。

「本当だから。俺にも理性があるから。」

「わかってるよ。」

「顕嵐。それなら、Aを手にした方が打ち明けよう。

それまで内緒な。

正体バレそうなやり方でカッコつけるのなーし。」

「なーし。な。(笑)

わかった。いいよ。」

顕嵐は余裕そうに笑った。