Prince of Vampire (ページ37)

今日:8 hit、昨日:10 hit、合計:588,643 hit

37 ページ37

＃Aran

「はあ、、」

朝からため息をつく。

「なんだよ、お前もかよ。」

すかさず後ろから突っ込まれる。

「宮近か。よかった。おはよ。」

「そこも一緒かよ。」

「え？」

宮近は、呆れ顔で隣に座った。

「顕嵐。」

「なに？」

「『俺のものになって』」

ブッ

俺は水を吹き出した。

あ、俺これ二回目。

「やっぱりお前かぁ。」

「…聞いたの？」

「正確には聞いてない。

でもなんでそういう言い方したんだよ。顕嵐らしくなくない？

あいつはお嬢様じゃん、もっと丁重な言い方してやらなきゃ。」

宮近の、熱のこもった指導が入る。

「だって、俺はお前みたいに自分から誰かれ告白したことないんだって。」

だって初恋だから。

「なんだよだれかれって。
俺は意外と最近じゃ一途に、

まあとにかく、

それにしても言い方あるじゃん。
付き合って！とかじゃだめ？」

真剣にアドバイスをくれる。

…かなり熱い。

「そうだよな。

あの時の気持ち、ストレートに言ったらああなった。

せっかくAが二十歳になるのを待ったのに。」

「前言ってた告白するタイミングってそういうこと？」

俺は包み隠さず言うことにした。

「うん。二十歳まで待つ程、俺はAとのこと真剣に考えてた。
本気でそこまで望んだことないから。」

「とりあえず、それを本人に言うか、行動で示せば？」

たしかにその指示はごもっとも。

「宮近….さんきゅ。」

「ったく。なんで俺がお前にアドバイスしてるんだよ。」

「悪いね。」

「ほんとだぞ。お前Aと上手くいったら今度俺にお礼しろよ。」

「お金で買える物ならなんなりと。」

「俺が欲しいのは…

もう顕嵐に譲っちゃったの！

ばーか！」

そう言うと、
あいつはいつものパターンで？
去って行った。