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学校に近づくにつれ、同じ制服を着た学生が続々と現れる。
"「昨日のあの番組見た?」"
“「見た見た!ちょ〜おもろかった〜!」“
たわいもない会話が色々なところから聞こえてくる。
いつもと変わらない、通学路。
私は、そのまま校門へと向かった。
校門を通ってすぐ、1人の男子生徒がこちらに向かって全力で走ってきた。
はやと「笹川〜!おはよう!」
彼の名前は松本はやと。私のクラスメイトだ。
『…おはよう松本。』
私はいつも通り、松本に挨拶を返す。
はやと「相変わらず、眠そうな顔してんな!」
松本はいつもずっと笑っている。クラスのみんなからの評価もかなり高い。
そんな彼が、入学してからずっとこんなふうに、毎日私に挨拶をしてくる。
『…そんなことないよ。』
私はそれが不思議でたまらない。
『朝練だったの?』
私が不意にそう聞くと松本は、嬉しそうに答えた。
はやと「おぅ!もうすぐ試合だからな!気合い入ってんだ!」
彼は野球部に所属している。1年生ながらも多くの試合に出ているらしい。
もし彼が、少女漫画のキャラクターなら、確実にヒロインと結ばれるだろうなと私はつくづく思う。
『そっか。…はい、おつかれ。』
私はそう言って、ポケットに入っていた飴を松本に渡した。
はやと「くれんの??さんきゅ!」
松本は、太陽みたいな笑顔で、私の手の上にある飴を受け取った。
はやと「そろそろ予鈴なるから教室行こうぜ!」
『うん。そうだね。』
私は松本と一緒に教室へと向かった。
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ガラガラ
教室の扉を松本が開くと、中から騒がしいほどの声がたくさん聞こえてくる。
その中でも1つ、私の大好きな声が聞こえてきた。
なお「Aー!おはよう!」
『なお、おはよう。』
彼女の名前は二宮なお。私の親友だ。
入学してからすぐに仲良くなった私達は、3ヶ月経った今も、ずっと一緒にいる。
なお「はい!この前借りてたやつ!」
なおが自分の鞄の中から袋に入った小説を出した。
私が一週間ほど前になおに貸した本だった。
『…ありがとう。どうだった?』
なお「ん〜、面白かったけど、私には少し難しかったかな。」
『そっか。』
なおと、会話をしていると後ろから聞き覚えのある声がした。
?「A!」
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作者名:コタ | 作成日時:2022年6月22日 8時