P.M.10:00 [ JK ]

32.届くことのない想い side:you ページ32

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2人きりになった部屋で、私とオッパは並んで床に座っていた。







「 覚えてる？ 」

何がどうなってここにいるのか。





そう尋ねてきたオッパに、私はブンブンと首を振る。





「 だろうね〜。全然起きなかったもん、僕の背中で。 」




…！！




「 ごめんなさい！ 」





たしかあの人に色々と言われて、そうしたら誰かが突然助けてくれて…。

曖昧な記憶から辿り着いたのは、私を抱きしめてくれたのがまさに目の前にいる彼だということ。


そこからおんぶされてここまで来たっていうこと？





「 あの、重かったよね？私…。 」

「 全然？むしろちゃんと食べてるのか心配になったくらい。 」





そう言って心配そうに笑う顔。

あの公園で見る顔だった。


そういえばオッパ、私が相談事するときはいつもちょっと寂し気に笑って元気づけてくれたなぁ。

楽しい時は思いっきり笑って、私の嫌なことを吹き飛ばしてくれたっけ。




…好きなんだよなぁ、オッパのこと。

でもきっと、この人とは住む世界が丸っきり違う。

初めて会った時から、それは薄々感じていた。



誰もが吸い込まれそうな瞳。

無邪気なのに、時には真剣に話を聞いてくれる姿勢。

今まで出会ったことのない雰囲気を、彼はずっと醸し出していた。





「 でも、」





その声にハッと我に返る。






「 運んでくれたのはほとんどマネ…じゃなくて車だからね。 」

「 ？ 」




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