27_貰い物、空の箱 ページ8
雷門が練習している場所から少し離れた海岸。
向こう岸を見ながら寛いでいると、黒髪の男が風に揺られながらこちらへと向かってたきた。
歳は私よりもずっと年上のようだったが、学生だろう、彼は私の傍によって話しかける。
砂木沼治。
イプシロンのキャプテン。
私は彼を注意深く観察した。
「……貴方は、」
「気になるか」
私が。
折角口を開いた彼の言葉を遮る様に喉を鳴らした。
彼は頷いていた、目で見て確認した訳じゃあなかったけれど何となくそう分かった。
「どうして雷門に」
私はゆっくりと彼の顔を見た。
それはもう目の前に敵がいるので、気分は軍隊の最前列、彼も同じだった。
緊迫感がうなじを襲ったが、それよりも彼は雷門に肩入れしている私を、何だか賢者でも見るように覗いていた。
「その様子じゃ、君の方がよく知っているんじゃないかな」
「！！」
「お前もアレに魅せられた1人だろう」
私は任務が遂行出来れば環境なぞどこでも適応してみせるが、結局のところあれは、円堂に関しては素晴らしい人徳者だった。
そして彼も私と同じように魅せられてしまったのだろう。
「楽しいか、サッカーは」
「……ああッ！！
血が沸き立つようだ、肉は躍る！！」
「……そうか、良かったじゃないか」
彼の感想に若干引き気味になりながら、それでいいんだよと小さく告げた。
聞こえたのだろう、困惑している、言葉の意味をよく分かっていない様だった。
「それでいいんだよ、お前たちは」
まだ子供じゃないか
「……」
「今のうちに楽しんでおけ、汚いものを見るのは大人になってからでいい」
慣れてしまったら最後、私たちみたいな猫背で隈が出来たまま血溜まりを見下ろす様な人間になるのだ。
「……お前も子供だろう」
「正しく感情を理解出来ていなかったお前たちに言われる筋合いは無いよ」
彼がいるということはそろそろまた雷門とぶつかるのだろう、今の彼らのポテンシャルなら私が居らずともきっと勝てる。
「貴方とも是非もう一度戦ってみたいものだ」
「それはいいね、彼らを倒せたら相手になってあげるよ」
今回の仕事はきっと無いだろうから。
遠くの鯨を目を細めて見ていた。
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久坂朧@三色団子と朧は神(プロフ) - あかいりんごさん» あかいりんご様、閲覧及びコメントありがとうございます！とっても嬉しいです！！更新は停滞気味ですが気長に待って頂けるとありがたいです！！ (2021年3月31日 22時) (
レス) id: 6e12f91009 (このIDを非表示/違反報告)
あかいりんご(プロフ) - コメント失礼します。昔から見ててずっと探してました！言葉選びが凄く好きです！応援しています！ (2021年3月30日 20時) (レス) id: 089acdd5f5 (このIDを非表示/違反報告)
久坂朧@三色団子と朧は神(プロフ) - 星猫さん» 申し訳ございません、こちらは存じてないです。完全なる自己満足の駄作なので合作する予定も今後もないのです……。ご不快にさせて大変申し訳ございません……！ (2021年3月17日 0時) (レス) id: 6e12f91009 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 後、トラスフォーマープライムは知ってます？ (2021年3月16日 19時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 一緒に合作しませんか？ (2021年3月16日 19時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：久坂朧@三色団子と朧は神 | 作成日時：2021年1月26日 21時
