失楽のウンディーネ【イナイレ】 (ページ9)

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「なあ、えーっと、……」

「……すまないが、名乗れないぞ」

「何となく分かってたよ！！

……お前は、よく此処に来るのか？」

何ともノリの良いツッコミに思わずくすりと笑ってしまう、そのまま私は返答。

「昔はよく来てたと思う……が……最近は全くだね、外国に行ってたから」

「へー！

アメリカ？イギリス？

それともイタリア？」

目をキラキラさせて私の話を聞いてくる少年に、

「アメリカだね」

「凄いな！

なあ、アメリカでサッカーとか見たこと無かったのか！？」

「2、3回位ならあるが……」

「あるのか！？

なあなあ！どんなシュートだった！？どんな選手だった！？」

「お、落ち着け！」

お前サッカーになると途端目の色が変わるんだな、と呟くと、

「ああ、悪い」

と言って苦笑し始めた。

頭を掻きながら済まなそうに笑う目の前の彼に何となく愛着を覚える。

そのまま彼はこう続けた。

曰く、自分はサッカーが大好きなこと、周りからのあだ名がサッカー馬鹿なこと、部活ではゴールキーパーをしていること。

などなど、今のを見てしまえば何となく想像出来そうな話をを延々と聞かされた挙句、彼は私に、

“なあ、サッカー好きか！？”

と聞いてくるのだった。