失楽のウンディーネ【イナイレ】 (ページ7)

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……うわ、一応許可したけど、本当に苗字公開されているのか。写真OKしなくて良かった。

私は頭を抱えた、これでは迂闊に名乗れないと思いながら他の記事を閲覧していく……。

1時間くらいそうしていて、疲れが溜まってしまった、パソコンを切って肩に手を置く。

そのまま、コキコキ、ゴキリと子供らしからぬ音の肩を鳴らしながら、さっきまでアメリカからずっと一緒にいた黒いバックに貴重品を詰めた。

時差ボケがだいぶ辛いが、現在日本時間4時、私はぼんやりと覚えている高いところから見た景色を探しに、夜明け前に空の下、家を出た。

5月の夜更けはまだ少し寒い、とはいえ、冬の寒さと比べてしまっては余りに差がありすぎるだろう。

白のラインが入った黒いスニーカー、白いシャツに銀色に光るループタイ、紺色のパンツ、季節にそぐわない訳では無いが、多少薄着だっただろうか。

上に取敢ず申し訳程度で羽織った薄い、丈の長い黒のパーカーを揺らしながら家から見える鉄塔へと走っていく。

近くは無いが、運動が出来る人間にとっては余り問題にならない距離の其処はボロく錆び付いていた。

こんなに劣化が酷かったか、以前来た時は───？

しかしまあ、錆びているとはいえ登れないわけではあるまい、とハシゴを登ってみる。

登りきって、昔より随分と体力が低下したことに気が付いた。

……おかしいな……基礎体力はある筈なのだが、これは酷い、運動しよう。