失楽のウンディーネ【イナイレ】 (ページ48)

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「真逆子馬が本当に存在しているとは思わなんだ……」

「はは、貴方もご存知の通り、本部はフランスですよ」

貴方達が掴んだ情報は何も間違ってはいない。

ただ日本警察は見つけられなかった、私達Aourは貴方達で言う公安よりもずっと規模が小さいので。

そういうと彼は馬鹿みたいに笑って、

「規模が小さい？

嘘つけ、全国に回っているくせに」

「それよりも、良かったのですか？

皮肉って私達のことをジャンヌの仔馬って笑う貴方達が私達と手を組んでしまって」

この会話は非公式なのか、と聞くと、彼は目の前の扉を開きながらそういうことじゃあないと否定した。

「そうじゃないさ、俺達はお前達のあの情報収集力が羨ましいんだ。

国家機密に手を出してもバレない程のな」

「……影山の動きには上が絡んでると？」

「俺はそう思ってる、あの影山だって違和感を出す、それを抹消している奴がいる筈なんだ」

「ボロとまでは行きませんか……成程、そこまでヤバいやつか……そこ監視カメラ気をつけてください」

「おっと……よく分かるな」

「何言ってるんです、僕(・)達の本分は諜報ですよ」

共同戦線を張るんだ、そのくらい合わせてもらわないと。

そう言うと彼は苦笑した、2年ぶりに会った同僚の子供がここまで生意気になっていればそれもそうだが。

中には誰もいなかった、あのコックのような服を着た人たち二人がここを使っていたのだろう。

少し奥に行くと問題の元凶である例の水があった、彼は携帯のカメラを回している。

私は革手袋をして、その水をそばにあったカップに注ぎ、手袋のまま注いでそれを舐めた。

「おい、危ないぞ」

「大丈夫ですよ、少なくともドーピング素材なら僕たちにとって利にはなる」

依存性だって0とは言えないが無いと言っていいだろう、健全な中学生に飲ませるものにそんなものを混ぜたら試合でバレやすいのは確かだ。

そんなこと、頭の回るヤツは考えない。

「ほらそこ、カメラ」

「何で気が付くんだよ……」