失楽のウンディーネ【イナイレ】 (ページ47)

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side貴方

ああ、やられた。

あの女に帽子で隠していた目を見られてしまった。

ただでさえ変装もしていないのに、ああ、こんなことならコンタクトくらいしておけばよかったんだ。

しかし、翠色の目と言うだけで人を判別できるものか、髪の毛だって帽子の中に入れているのだから対して気に病むことでは無いだろう。

と、二人の警備員を持っていたワイヤーで括りつける、銃を構える彼に私は溜息を吐いた。

「で、鬼瓦さん。

真逆貴方だとは」

「……Aちゃんか……！？」

「2年前は世話になりましたね」

本当に真逆貴方とは思わなかったと心から思った。

鬼瓦刑事は私の父と名乗る人の同僚だ、今は知らないが2年前の情報では。

私が記憶喪失なりたての頃は良くも悪くも世話になった人だ、会った回数は顔見知り程度ではあるが。

「連絡が取れなかったのは悪かったと思っています、ええ。

でもすみません、私の身柄はもはや日本国のものではない」

「どういうことだ、君はまだ」

「ええ、まだ成人にもなってない少女です」

ですが、刑事でも特に頭の回る貴方なら分かるでしょう、と告げると目の前の警備員に扮した彼は目をカッと開いて、

「……真逆、諜報組織に身を置いたのか……！？」

「貴方達の知っている仔馬の1人ですよ。

それよりも、今は貴方にお願いがありまして」

「……そうか、そうだな。

本当なら一人の少女として話さなければならないが、Aourなら俺にも提案がある。

共同戦線を張らないか」

「……分かってるじゃないですか」

「俺達はサッカーの後半戦が終わるまでにあの水の正体を知りたい、だが特定するにはやはり時間もかかる」

「成程、試合が終わる前に奴さんを捕まえたい、Aourにはバックアップをしてもらいたいと。

いいでしょう、ただしこちらに記録等全て渡すこと」

「一人間がそれを決めてもいいのか？」

「ええ、それなりに権力がありますから。

私の言葉は支部1つ分の回答とみなされます」