失楽のウンディーネ【イナイレ】 (ページ45)

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そもそも彼らが当日にスタジアムを変更したのも気になる、彼らはここに何かを隠している可能性がある。

アランにこれまでの試合記録を送って貰うと、彼らはこれまでの試合総てを前半45分で終わらせていることが判明した。

しかもそこにハンデもない、ただの実力差だけで、だ。

こんな短期間で、チーム十数名を圧倒的なまでに仕上げた影山。

雷門に執拗な嫌がらせをする影山。

犯罪者として、警察に追われている影山。

影山、影山零治。

調べて出したらキリがない、疑いだしてもキリがない、そう頭を掻きながら、人気の居ないスタジアムを気配を消しながら進んでいた。

こういう諜報活動は私達Aourの領分だ、しかも私は支部長クラス、ヘマはしないし許されない。

しばらく足を進めると、人の声がした、相手側はまだ気付いていない筈だ、追っ手では無いだろう。

聞き耳を立てる。

「気を付けろ、誰も中に入れるんじゃないぞ」

「はい」

「……さっきのドリンクでしょうか」

「多分ね」

この声……女だ、しかも恐らく雷門側の、マネージャー？てことは3人で纏まって動いているのか？

「私もあれを飲めば、君より強くなれんのかね」

「き、聞きました……！？」

「ええ……夏未さんの推理通り、あのドリンクには秘密があるんだわ」

ナツミ？雷門夏未か？

雷門中理事長の一人娘がマネージャーをしているのか、しかもこんな場所に潜り込んで。

あまりにも無謀だと、私は冷や汗を流す、久しぶりの諜報で腕が落ちたかと思ったが、真逆外部からの侵入があったとは。

彼女達が危険だ、近付こうとすると警備員の姿、私は彼に近づいた。