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side瞳子
頼み綱である組織に連絡してからたった1時間。
カタン、と音がして、不審に思いながら郵便ポストを覗く、届いていた紙には日時と場所、それから
“√5”
と書かれていた。
「初めまして、依頼主。
私は荻原と申します、Aourアメリカ支部から要請を受け、貴方との面会に参りました」
日時は兎も角、指定された場所はテラスのある洒落たカフェ。
中々穴場スポットの様で、全く人がいない、この店のマスターと思しき人は私をテラスへと誘導した。
テラスとはいえ、外からはガラスの壁で阻まれている、これなら下手して他人に聞かれることは無いだろう。
そして横に目を向けると、思わずたじろぐ。
待っていたのは、1人の美しい少女だった。
幻想的、まさにその体現だとも思った、綺麗な翠色の目がこちらを見ていた。
「……吉良瞳子よ」
「ええ、吉良さん、どうぞお座りになって下さい」
紛れもなく私より身長が低い翠色の彼女から聞こえたその声は、その体に不釣り合いなかなり大人びたアルトだった。
一礼して指示通り座る。
勿論その間私は驚愕していた、真逆ヒロトとあんまり変わらない位の歳の子(?)がこんなにも威圧を出せるものなのかと。
Aour、正式名称、対非合法組織人材育成・強化プログラム、これに所属している人達の条件は青少年であることと、基準以上の頭脳を所持していること。
出回っている組織の情報と言えばそれくらいで、私も先祖の依頼記録を見るまでは名前すら聞いたことがなかったのだ。
要請された人間とは言えそんな組織の人間だ、きっと教育されていることなのだろう。
目の前にいる笑顔を浮かべた少女が、あまりに恐ろしく思えた。
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久坂朧@三色団子と朧は神(プロフ) - 逢癒さん» 御指摘ありがとうございます……!後日修正します! (5月22日 10時) (レス) id: 18158ed937 (このIDを非表示/違反報告)
逢癒(プロフ) - 円堂くんのはターバンじゃなくてバンダナですよ(小声) (5月21日 23時) (レス) @page9 id: 75cf3cd48e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:久坂朧@三色団子と朧は神 | 作成日時:2020年3月26日 14時