失楽のウンディーネ【イナイレ】 (ページ32)

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円堂に1つ祝いの言葉でも掛けてやろうと久しぶりに鉄塔の麓へと早朝出掛けていく。

数日家に引きこもっていただけあって、久しぶりの外に体が順応するのに少し時間がかかった。

けれども、全盛期程の体力を何とか戻した私には中々に気持ちがいい。

やっぱり記憶を失くす前は円堂と同じ様なサッカー馬鹿だったのかも、と以前も自分の中で考えたそれに勝手に納得した。

「あ、足長ー！！」

「円堂、久しぶり」

「なあー何で暫くここに来なかったんだ？」

俺色々話したいことがあったのに、とぶつくさと文句を垂れる彼に私は思わず笑う。

悪い悪い、と私は手を合わせた。

「そんなことより、帝国学園打破、おめでとう」

パソコンのニュースで見たよ、試合を生で見れなくて残念だったと言うと、眩しいくらいのいい笑顔で返事をする。

「ああ！

ありがとう！！」

彼は本当に嬉しそうだった、何だか最初に会った時よりずっと生き生きとしている。

最初こそサッカーバカだと思っていたが、今ではそれが更に輝きを増していた。

「なあ、サッカーしようぜ！！」

最近会えなかったからあの痺れるシュートが恋しくてソワソワしてたんだ、と言う彼に思わず苦笑。

やっぱり彼はサッカーバカの模範中の模範だった。

新しい必殺技も覚えた様で、私に挑むことにとてもワクワクしている。

よろしい、ことごとく潰してやろう。

勿論その後、シュートを1度も止められずにコテンパンになって地べたに大の字に転がり込んだのは言うまでもない。