失楽のウンディーネ【イナイレ】 (ページ30)

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話を戻そう、このAourという組織はアメリカのFBIとほぼ同じ権力がある、厳密に言えば彼らより少し劣るくらいだろうか。

ただこれ、飽くまでもアメリカ内部の話である。

Aourはそもそも独立した機関では無く、今の所国際連合(・・・・)のとある組織からバックアップを受けて動いているので州警察と一緒にしないで欲しい。

どちらかと言うとインターポール寄りである、世界的な警察機構であるし、逮捕権がある分こちらに分があるものの権力は下回るが。

勿論この権力の大きさは不正などではなく、これまでの活躍や実績によるものだ。

青少年だからこそ出来る潜入や諜報がある、なのでこの組織は一定水準以上の青少年を集め、保護し、利用しなければならない。

そして勿論、私達の個人情報は組織によって守られなければならない、私が身バレを恐れたのもその為だった。

とは言え支部長クラスとなればある程度メディアに出ても組織が余裕で守ってくれる程には権力がある。

そしてそのくらい権利があるのだから、各国政府は涙目である。

皮肉って私達のことを“ジャンヌの仔馬”と呼ぶ者もいる。

そして私達が今している作業は、先に日本政府の持つ情報をハッキングしてコピーした後、情報の開示を申請するというもの。

彼らの対応は遅いので先に掠めとってやろうという訳だ。

開示したならそれを改めて確認し、先に違法コピーした情報と照らし合わせ───要はバレなければいいのである。

「……ねぇ、この何年か前に富士山麓に落ちた隕石に誰かが出入りしてるっていうのは？」

不思議な情報を見つけ、ジャックに聞いてみる。

何か知っているだろうか。

『……嗚呼……5年前の。

当時かなりの人が居たが、最近になってまた人が出入りしているって奴だろ。

何やら不穏な空気がしたからコピっといた』

曰く、前支部長もそっちに行ったことがあるし、研究もしていたらしいのでその隕石には何らかの影響が見込まれるとのことである。

最近ではあの時メールで送って来た、要注意人物である影山零治も関与していることからジャックにとっては気になったらしい。