失楽のウンディーネ【イナイレ】 (ページ28)

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あの試合から実に数日が経った。

私はその間、いつも円堂が来るあの特訓場所には行かなかった。

時間的にも体調も行けなかったと言うわけでもない、だから行かなかったのだ。

この数日間はあのアップルティーの匂いがする研究室から送られたデータを、自室でパソコンと睨めっこ。

勿論好奇心の顕現である私がそんなことをするのだから、そこには面白いものが沢山記載されてあるのは言うまでもない。

日本政府の動き、ここ最近のスキャンダルや重鎮の動向、これまでの事件の記事や裁判記録。

一体何処から抜き取って来たんだと言う様な秘匿情報満載のそれを数日間ぶっ通しで読んでいれば私も流石に疲れる。

人間だもの。

流石ジャックは電子機器に優れているだけあって、政府のメインコンピュータにアクセスするのが早い。

彼はこの手の天才だから、こちらも何かと楽をさせて頂いている。

無論違法であるが。

「という訳だからジャック、日本政府に情報の開示の請求を頼む」

勿論名義は“Aour”で、と着けておく。

『既にしている、後はどのくらい政府が早い対応に出るかだな』

それなー、と返事をしながら、私は傍にあるポッキーに口をつけた。

ゆったりとした時間が流れる中、パソコンだけが忙しく動く。