失楽のウンディーネ【イナイレ】 (ページ27)

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「遅かったな」

「友人からの電話だったからな」

さもお前には関係がないだろうというふうに、悪びれもなく答える。

「成程」

「行くのか？」

「嗚呼、もう直ぐにでも試合が終わるだろうからな」

と、ここで携帯が鳴る、パソコンと同期しているメアドから送られた情報の先頭は、要注意と書かれた帝国学園のメンバーと監督だった。

その中に見覚え……と言うより目の前の顔のそっくりさんが現れる。

鬼道有人、と書いてあった。

「鬼道有人」

「！？」

真逆帝国学園の者だったとは、道理で見覚えがある訳だ。

「円堂が言っていたぞ、お前たちから一点をもぎ取れたことが嬉しいとな」

「……最初から知っていて会話していたのか？」

あからさまに警戒しだすゴーグル少年に向かって、悪びれることも無く。

さも可笑しそうに笑っておいた。

「真逆」

携帯は仕舞っておく。

「……また話そう」

「ああ、今度はお前のプレーの話でも聞かせてくれ」

彼は立ち去った、姿が見えなくなった瞬間、試合も同時に終了を告げた。

フットボールフロンティア予選への切符を勝ち取り、喜びの表情を見せる彼らを上から何も考えずに眺めていた。

円堂はこちらを見て手を振っていたので、軽く振り返して、私も姿を消した2人の後を追う様にその日は立ち去った。