失楽のウンディーネ【イナイレ】 (ページ22)

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3_わたしのことページ22

明くる日。

円堂こそ余り来なくなったが、私自身が練習する時間は大いに増えた。

お陰で記憶を失くした当時の体力にまで戻すことも不可能ではないくらいには頑張ったろうか。

サラシで潰した少々邪魔な胸で上手くドリブルをする。

という感じに、ただひたすら足に負荷の無いシュートをひたすら打ち込んでいると、懐かしい足音が聞こえ、振り向けばオレンジ色のターバン。

もとい、円堂が久しぶりに姿を表した。

「よ、足長！」

「やあ円堂、久しぶり」

最近姿を表さなかったな、と言うと、何やら嬉しそうな顔をして、

「フットボールフロンティアに、出れるかもしれないんだ！！」

「フットボールフロンティアあ？」

何とも間抜けな声を出してしまったが、頭からその名前の正体を引っ張り出す。

「……ああ、大会か」

「ああ、今皆で猛特訓してる！」

新しい仲間───例の転校生だろうか───も加え、既に数日後、大会の地区予選を賭けた試合に挑む様で彼は張り切っていた。

「良かったら見に来いよ！」

「いいのか？」

「ああ！！」

正直、気にはなっていたので何回か覗きにでも行こうかと思っていたところだし、丁度良かったと言うのは間違いない。

とはいえ彼以外に知り合いも何も居ないので何とも言えないのも事実だが。

一肌剥けた彼は、チームのキャプテンらしく笑っていた。