失楽のウンディーネ【イナイレ】 (ページ14)

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「いやー、お前のシュートがここまで凄いとは思わなかったな！」

「あー、うん、ありがとう」

「何処の中学に行ってるんだ？」

「……何処だろうな」

えぇー、教えてくれないのかよ、とつい先程見た顔をする。

行っても居ない場所に嘘をついたとていつかはボロが出るだけだ、黙りを貫こう。

そんな彼に私はすまない、と言って笑った。

「……お前、綺麗な緑の目、してるな」

「そうか？」

そう言えばそんなことを誰かに言われた気がする、誰だったろうか。

「ああ、ちょっとニコッと笑ってみろよ」

「……こうか？」

と、言われるがままちょっと笑ってみせた。

自分でも、彼の反応からして思ったより上手く笑えているのだろう。

「そうそう！」

「……何をしているんだ私達は」

「……早朝特訓？」

「にしてはもう日が大分登っているぞ？」

「んえ？」

携帯を見ると、もう既に七時五十六分を指していた、もうそんなに時間が経ったのか、意外だ。

と思いつつ彼を見ると、大興奮と言った様な顔だったのに青く染まっていて、頭を抱えてからあぁーっ！、と叫び出した。

「まずい、学校遅刻するッ……！！」

「あ、行くのか？」

「嗚呼、じゃあな！！

またシュート打ってくれよ！！」

そう言ってオレンジ色のターバンの彼はサッカーボールを拾って駆けていった。