失楽のウンディーネ【イナイレ】 (ページ12)

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朝焼けを見終わって、私達は鉄塔の元へと降りると、さっきは見なかった……いや、見えなかった、木にタイヤを紐で括りつけたものを見つけた。

円堂は私の不思議そうな顔を察したのか、色々と説明してくれた。

「俺さっきゴールキーパーやってるって言っただろ？

ここはそれの特訓場所なんだ」

「へぇ、タイヤを押すのか」

「ああ！

勢いよくタイヤを押して、それをばぁーんって」

「……成程、受け止めるんだな」

彼についてもう一つ分かったことと言えば、説明が壊滅的に下手なことだった、余計な情報と言えば余計な情報である。

おーい、と、タイヤを眺めていると、いつの間にか遠くへ行ってしまったらしい、サッカーボールを持って私に手を振っている。

「ほら、ボール！」

と、私の場所にピンポイントで向かってくるボールを少しジャンプして胸で受け止めた。

……やっぱり胸邪魔だな、サラシ巻いててよかった。

そのままボールをリフティングしてみた、それなりに名のある選手だったらしいし、一時期はライセンスも取得していただけあってか、体だけは覚えていた様だ。

その後もリズム良くトン、トン、とゆっくりリフティングを続けていく。

「いや凄いな！？」