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episode56 ページ9
「A、君に話しておかなければならないことがある。」
チビちゃんたちが帰った後、再び病室には櫻野と私だけになる。
「なに？」
いつになく真剣な表情をする櫻野。
私は自然と姿勢を正す。
「君のアリスのことなんだけど。さっきも言った通り寿命には影響しない。でもコピー能力は他人のアリスを使用するようなものだから身体への負担が大きいらしい。それを同時に複数、長時間使用することは危険なんだ。それこそ命を落としてもおかしくないくらいに。」
今回何事もなく目が覚めたことは運が良かったのだと。
櫻野が教えてくれた。
「そっ…かー。よかったー、死ななくて。私まだやり残したこといっぱいあるんだー。」
突然のことすぎて正直あんまり理解できない。
だから、的外れなことを言ってしまう。
「4つだ。」
4つ…？
「1度に使用していいアリスの数だよ。最高でも4つ。それを超えたら命の保証はない。」
今回使ったアリスは確か…少なくとも6つだったはず。
知らなかったからとは言え随分と危険なことをしたんだなー。
まるで他人事のようにそんなことを思う。
「今後は制御アイテムの数も増えるだろうから4つ以上アリスを使うことはないだろうけど、気をつけて。」
もう心配かけないで、と櫻野は病室を後にした。
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作者名：莉桜 | 作成日時：2018年2月5日 20時
