episode52 ページ5
A……A………
誰かが私も呼ぶ声がする。
櫻野…？ううん、違う。
もっと懐かしい、遠い遠い記憶。
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「おーい。Aー。」
「あー！柚香お姉ちゃん！」
走ってくる柚香お姉ちゃんに抱きつく。
ほっぺをすりすり。
柚香お姉ちゃん大好き！
「こんなとこで何してんの？」
えっとねー、あのね。
「昴くんと最近てんこーして来た秀くんを見てるの」
2人ともすごいんだよ！
アリスをいっぱい持ってるの！
「A、アンタそれストーカーって言うんじゃ…。」
柚香お姉ちゃんと2人で木の陰に隠れて2人を見つめる。
どうしてお姉ちゃん困った顔してるの？
「何で話しかけないの？」
えー…だって…。
Aはアリス１つしか持ってないんだもん。
昴くんはアリスを２つも持っててすごいのに、秀くんは3つ持っててもーっとすごいからいつも昴くんのことバカにしてるもん。
だから絶対Aもバカにされちゃう。
秀くんはね、みんなの前では“いい子”なのに昴くんの前ではすっごい意地悪なんだよー！
「2人とお友達になりたい？」
んー…なりたいけどー…。
「よーし。お姉ちゃんに任せて！」
「わっ！柚香お姉ちゃん待って〜。」
柚香お姉ちゃんに手を引かれて2人の前に出る。
「「わー！柚香お姉ちゃんだー」」
2人は同時にお姉ちゃんに抱きつく。Aはびっくりしてお姉ちゃんの後ろに隠れちゃった。
「今日はね、2人とお友達になりたいって女の子を連れて来たよー。」
わー！待って。まだ心の準備が〜。
柚香お姉ちゃんによって強制的に昴くんと秀くんの前に出される。
「同じクラスだと思うけど、如月Aちゃんでーす。仲良くしてあげてね。」
「あ、えと。如月Aです。よろしくお願いします。」
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作者名：莉桜 | 作成日時：2018年2月5日 20時
