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episode77 ページ31
なんで！？
私が櫻野をからかってたのに…。
「Aが俺をからかうなんて100年早いよ。」
さっきまで顔がほんのり赤かった(気がする)のに、もういつも通りの澄ました顔。
一方私はどんどん赤くなっていく。
今頭から水をかぶったらすぐお湯になりそう。
フッ…
突然辺りが暗くなる。
お化け屋敷だから元から暗いんだけど、数少なかった灯りが消え、仕掛けも動かなくなる。
「停電？」
「何かあったみたいだ。」
状況を把握するため、とりあえず一旦外に出ようと櫻野のテレポートで外に出る。
「ブレーカーが壊れたらしい。僕は復旧作業の手伝いをするよ。Aは取り残された生徒を助けに行って。」
櫻野はおばけ屋敷のスタッフに状況を聞き、すぐに指示を出す。
さっきまで私をからかっていた櫻野とは違う。
アリス学園総代表としての櫻野。
生徒会長として、学園の総代表として。
櫻野は人一倍責任を背負っている。
一人称が“僕”になるのは代表として責任のある仕事をする時。
櫻野は全部自分1人で片付けようとするから。
そんな櫻野が私を頼ってくれたのは実はすっごく嬉しかったりする。
「任せて！」
思った以上の大きな声に櫻野は一瞬目を大きくした後、優しく微笑んでいた。
こっちは任せて！
ちゃちゃっと全員助ける。
櫻野の隣に並んでも恥ずかしくない女になるためにもこの仕事を全力でやろう。
そう意気込んで屋敷の中へと駆け出した。
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作者名：莉桜 | 作成日時：2018年2月5日 20時
