episode48 ページ1
結界を使えば棗も私も死なずに済むかな…。
でも棗のアリス強いしなー。
「やめて」
その時蜜柑ちゃんが棗に飛びつく。
無効化のおかげで棗の火は消える。
「あほっ！何本気で火つけようとしてんねんっ。あんた死ぬ気か！？目覚ませボケッ」
いやー、ホントに蜜柑ちゃんの言う通りだよ！
今回ばかりは本気で死ぬかと思ったね〜。
ただねー、棗も蜜柑ちゃんもせっかく逃がしたのに何で戻って来るかなー。
「力を抜けっ」
蜜柑ちゃんが来たことで膠着状態は解かれレオが待ってましたとばかりにアリスを使う。
ガクン
フェロモンに弱い棗と私は体から力が抜ける。
だから無効化使えないんだからフェロモン使わないでって言ってるじゃんか〜。
「バカだねお前」
くすくすと笑いながらレオが蜜柑ちゃんに近づく。
「お前が戻って来たせいでこいつらの苦労も水の泡だ。」
「…てめ、何で…戻ってきた…」
蜜柑ちゃんに抱えられた棗は怒りを露わにする。
あーあ。蜜柑ちゃん青ざめちゃってるよ。
確かに戻ってきたせいで色々予定通りに行かなくなっちゃったかもしれないけどさー、そのおかげで私死なずに済んだんだし。
「蜜柑ちゃんグッジョブ!」
親指を立ててグッドポーズをする。
いや、ホントに助かった！
棗ってば本気で私を巻き込む気だったからね。
「ガキが何グズグズ言ってんだか…おい、こいつらの手足縛って…」
ありゃりゃ？
これはもしかしてチャーンス。
レオの不意打ちのアリスの使用にヘロヘロになったのはどうやら私と棗だけではないらしい。
紫堂さんやいつの間にか目を覚ましていた他の2人もレオのアリスによって力が抜けている。
「蜜柑ちゃん、棗！」
2人の手を引き入り口へと走る。
「逃げたぞ」
棗走って〜。早くしないと追っ手が…。
それから私の体力が…。
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作者名：莉桜 | 作成日時：2018年2月5日 20時
