学園アリス

episode36 ページ39

いったー。
病室には結界が張ってあったようでそれを越えてテレポートしたため身体がビリビリする。

でも今はそんなこと気にしていられない。

「レオ先輩何してるんですか？」

棗を担いで今にも逃げ出そうとする男と対峙する。

「お前…どっから…。」

「棗を離してください。私の大切な後輩に手を出すなんて先輩相手だろうと許しませんよ。」

レオ先輩は確か声フェロモンのアリス。
一瞬も気は抜けない。

勢いでここまで来たはいいけどどうする？
ここは病院だし変に騒ぎを起こすのは避けたい。
下手にアリスを使えば他の患者も巻き込んでしまう。
それにこの病室には結界が張ってあって上手くアリスをコントロールできない。
かと言って何もしなければ棗も私も危険。

頭の中では色々と迷いがあるが決して表情には出さない。
あくまで平静を装う。

「棗をどうする気か知りませんけど誘拐なんてしたらあなたの立場はどうなるか考えたら分かるでしょう？」



「大人しくしろ！」

しまった。レオ先輩を警戒しすぎて背後から近づいて来る仲間に全く気づかなかった。

そのまま私は薬品を嗅がされ気を失った。




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