現世任務in米花町 (ページ10)

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番外編にページ10

トイレに押し込まれていたコナンは、かすかに残る眠気と頭痛に顔を歪ませた。

会場の照明が消えたあと、おそらくキッドに眠らされたのだろう。

その事実はコナンにとって、非常に屈辱的だった。

しばらく放心していたが、キッドのことを思い出して、急いで会場に向かった。

コナンside

どうやら怪盗キッドは今回も目的のモノを返却したようだった。

しかし、会場にいる人に今回はどんな手口だったのか、なにが起こったのか尋ねても、覚えてないという返答ばかりだった。

最終的に、綺麗な男たちを統率する謎に包まれた女性…
平優希に話を聞くことにした。

彼女は存外近くにいたようで、子供らしく駆け寄ろうとすると、大きな影が俺を覆った。

三「童よ、主に何か用か？」

コ「え…」

艶のある髪に白い肌、吸い込まれそうな青い瞳には三日月のようなハイライトが浮かんでいる。

ことさら浮世離れした男がそこに佇んでいた。

あまりのオーラに少しの間圧倒されていたが、ふと我に返って問い返した。

コ「ねえ…薬研にいちゃんも言ってたけど、主とか大将とか、どういう意味なの？おにいさんはなにをしている人なの？」

三「なに、主は守るべきおなごであると言うことよ。たとえ外見は神の子といえど、主に近づかれると…なぁ？」

コ「…おにいさん、何者…？」

三「ふ、俺は「あ、三日月？」…主。」

「あんまり目立つ行動はしないでよ～私が怒られるんだから…」

男は穏やかな笑みを浮かべて平さんを撫でた。

三「それもそうだな、戻るか。」

「やっとだよ～はやく光忠のご飯食べたい…」

コ「ちょっと待って！お姉さん、僕もっとお話ししたいよ！」

歩き始めていた平さんは、振り返って俺の目をじっと見つめた。

「ごめんなさい…急いでるんだ。」

コ「じゃ、じゃあ！また…会える？」

「…どうだろう、私は会いたくないよ。」

正反対の綺麗な笑顔を浮かべた彼女は、すぐに踵を返して、男たちとともに夜の底に飲み込まれていった。