現世任務in米花町 (ページ5)

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よんページ5

現世任務は、「天下の刀剣展覧会」に出展されてしまったふた振り、「三日月宗近」と「小狐丸」の時代遡行軍からの保護だ。

それが一体どうしてこんなことに…。

なんだか頭が痛くなってきた気がして、眉を寄せる。

前「大丈夫ですか？主君。」

ハッとして目を向けると、心配そうな前田がいた。

「…うん、ありがとう。」

微笑んで見せてから、また思考に移る。

よくよく考えると、おかしな点が多い。

資料を見てみても、時代遡行軍が刀剣を盗むなんて事例を見たことがないし、手に入れたところであいつらが扱えるとは思えない。

それに、どうしてこの時代を選んだ？わざわざ過去に遡らなくとも、審神者からとるだけで済む問題だ。

変えたい過去があるわけでもないのに、どうして…

そこまで考えて、あることに気づいた。

「っ！！！こんのすけ！！！！！」

こ「はい！？なんでしょう審神者様？」

いつになく切羽詰まった光に驚いたそぶりを見せたこんのすけ。だけどいまは構ってられない！

「はめられた！！！時空の歪みを確認して！それと、今すぐ応援の審神者を呼んで！早く！！」

こ「は、はい！」

前「主君！はめられたとは一体？」

「その話は後！！とりあえずみんなと集合しよう！」

***********

会場に戻った途端に殺人事件の容疑をかけられた私たちは、事情聴取を受けている間にさっきのことについて話し合った。

薬「つまり、時代遡行軍はこっちの刀剣を囮にして過去を変えようとしているのか？」

「うん、そうすれば全部辻褄が合うよ。怪盗キッドのことも、三日月宗近のことも。」

信「切り札がまさか利用されるとはねぇ。」

「それに関しては致し方ない。ちゃんと許可証はもってきたし、解放されると思う。」

山「はぁ…どんどん事態がややこしくなってきたな。あんた、大丈夫なのか？」

「～～！まんばちゃんのデレで癒された…好き…」

信「え～？ずるいよ～僕も懐入れて～～！」

硬くなった空気が和らいでわちゃわちゃしたところで、メガネの少年が近づいてきた。

独特の魂に、信濃と前田の目は鋭くなる。

コ「ねえ、○○にいちゃんってなんで薬研って呼ばれてるの？」

ちらっと薬研に目を向けると(すまねえ！大将！)という念が伝わってきた。

大丈夫だよの意味も込めて微笑んで、

「薬研はあだ名だよ。昔からの付き合いだから慣れちゃって。」

コ「そうなんだぁ…ところでお姉さん、そのバックには何が入ってるの？」

今の一瞬で空気が凍った。