現世任務in米花町 (ページ21)

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じゅういちページ21

てっきり新しい本丸でももらえるのかと思っていた私は、役人の言葉に首をひねった。

「ぶらっくほんまる？」

役「そうです。とは言っても、そこに残っている刀剣は一振りだけなんですけどね…あなた様に、そこの刀剣を回収していただきたいのです。」

山「ちょっと待て。いくら霊力が強いからといって、少々急ぎすぎじゃないか？まずは審神者に慣れて…」

「鶴丸…」

私の言葉に、まんばは息を呑んだ。

役「そうです。その一振りは鶴丸国永なんですよ。」

山「！！！おい！！こいつが鶴丸に弱いのを知っていて何故！」

役「一刻の猶予もないのです！！どうにかして助けださないと、彼は…」

「…行きます。」

山「主！！今回は俺も譲れない。あんたに危険があると知っていて連れて行くことはできない！」

「ありがとうまんばちゃん…心配してくれてるんだよね。でも、鶴丸は私のはじめての友なんだ。一生のお願い。行かせてください。」

まんばは苦い顔をした。知ってる、彼は私のお願いにとことん弱いのだ。ずるい私を許してほしい。

山「……わかった、あんたがそこまで言うなら。ただし、無茶は認めない。危険だと分かったらすぐに撤退させるからな。」

「ありがとう！！じゃあさっそく…あで！」

立ち上がって行こうとすると、思いっきり足をひっかけられた。

山「あんたは馬鹿か！！どこに俺一人で鶴丸国永に立ち向かう奴がいる！俺のような写しでなくとも、やつに勝てる刀剣はそうそういないぞ！」

「えぇ…でもここにはまんば以外刀剣いないし…」

役「はぁ…鍛刀しましょう。最低2振りは必要でしょう。」

おいお前、溜め息つきやがったなこの野郎。

その後、役人にレクチャーしてもらって鍛刀を始めた。

青「僕はにっかり青江。うんうん、君も変な名前だと思うだろう？」

長「へし切長谷部、と言います。主命とあらば、何でもこなしますよ。」

「おぉ…本当に刀が喋った。」

役「ほう、まだ霊力が余っているようですし三振りめも顕現したらどうです？」

山「まぁ、大いに越したことはないな。」

2人の激励を受け、三振り目を顕現しようとしたところで違和感に気づく。

霊力が刀に行かないのだ。

「あれ？おかしいな…」

役「…仕方ありませんね、疲れているのでしょう。三振りいれば何とかなるでしょうし。」

山「今日はもうゆっくり休め。」

四人に促され休むことにした私は、得も言われぬ感覚から逃れるように、目を閉じたのだった。