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43.お互いの気持ち ページ16

貴方side

あの後、生徒会長さんがペルソナを覚醒した。パレス攻略も順調に進んで怪盗団の絆がより一層深まる。

真「もう…生徒会長さんじゃなくて、真って呼んで」

貴「分かりました、真…さん。善処しますね…」

真「ふふっ、Aってホント真面目なのね」

祐介「…」

時折祐介が悲しそうな顔をするのが目に入る。

杏「…A!ちょっと来て!」

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杏「デートしよ」

貴「杏と…?」

そう言うと杏はがくりと肩を落とす。

杏「私じゃなくて、祐介と!」

貴「…何故祐介と…」

杏「A、好きなんだよね?祐介の事」

貴「…え?」

急にそんな事を聞かれると驚いてしまう。そもそも、何故バレてしまうのか…尽くみんなにバレてる気がする…

杏「祐介、最近元気ないから…Aと2人で出掛けるのって久しぶりなんじゃない…?ずっと怪盗団の皆と一緒だったし…」

貴「でも…」

私が言い訳をしようとすると杏は私の手を掴んで祐介の傍へ連れていく。

祐介「!…どうした?」

杏「Aと買い物行ってきてくれない?」

祐介「Aと…2人で?」

そう言うと祐介はパァァっと表情を明るくする。

ダメ。そんなに嬉しい顔されたら私…期待してしまう。

杏「買い物メモはこれ!はい!行ってらっしゃい!」

と杏に両手でお互いの背中を押される。祐介は私に笑顔を見せると行こうか、と手を繋いでくる。だから…ダメなんだってば…!

貴「祐介…迷子にならないし手は…」

祐介「俺が繋ぎたいんだ…ダメか?」

貴「ダメじゃないよ。でも…ほら、恋人に間違われたら祐介が嫌な思いするし」

なにそれ…それじゃあまるで私は嬉しいって言ってるのと同じじゃないか。

祐介「…」

なんで黙り込むの…!!

祐介「なら…Aは嫌では無いということだな」

貴「へ…?」

祐介「いや…早く行こう」

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祐介side

『ダメじゃないよ。でも…ほら、恋人に間違われたら祐介が嫌な思いするし』

さっきの言葉がずっと頭を離れない。これは…期待しても、いいのだろうか…。いや…ただの俺の考えすぎなのだろうか…

貴「明日は頑張ろうね、祐介」

祐介「え…?あ…ああ。勿論だ」

俺が少し戸惑いを見せるとAは柔らかく笑う。その笑みにまた、心臓がうるさくなる。Aにとって俺は弟のような存在だ。

分かってはいるのに、やはり俺はAの…特別な存在になりたい。

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作者名:なまこ | 作成日時:2020年9月23日 4時

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