41.拉致 ページ14
貴方side
パレスから出てみんなで話し合っていると生徒会長さんが現れた。やっぱり、悲しそうな顔をしてる
杏「高みの見物してればいいのよ、どうせ私達の役に立たないんだから」
真「役に…たたない…？」
貴「！」
今度はわかりやすく悲しい表情をした生徒会長さん。次に金城に近づければ良いのだろうと一人で行動してしまう。
貴「祐介…」
祐介「どうした？」
貴「彼女は、私に少し似ているね…」
祐介「…？」
貴「ううん。早く生徒会長さんを追い掛けよう」
その時蓮くんの電話に生徒会長さんから電話がかかってくる。どうやら悪い連中に金城潤矢に会わせろと実際に言いに行ってしまったようだ。
貴「どうしてこんな危ないこと…」
みんなで蓮くんが昨日生徒会長さんと一緒に行った路地裏まで走る。すると生徒会長さんを乗せた車が私達の目の前を通り過ぎていく。
貴「！…ナンバーは覚えた！」
祐介「ああ…伊達にクロッキーはやってない！」
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真「いやぁ！」
貴「！生徒会長さん！」
店に入ると生徒会長さんが男達に組み敷かれていた。私はその光景を見て背筋が凍ってしまう。
『ああ…この子は男ウケも良さそうですね…きっと沢山金が入ってきますよ先生』
『A、男を喜ばせる練習をしておこう』
パシャッ
貴「…っ！」
私はシャッター音を聞くと咄嗟に祐介の前に出て祐介を庇う体制に出る。
祐介「！A…！？」
金城「…君、かなりいいね。おいお前ら」
ガシッ
貴「！？」
男「うわ、ホントっすね、未成年だけど結構良さそうだな…スレンダーだし胸も結構…」
私を押さえつけてきた男が私の胸を触ってくる。
祐介「貴様ｯ…！」
金城「おっと、それ以上近付くなよ。この事を警察にチクッたり今お前の大事な子を押さえつけてる男に手を出したら…お前らの家族もこの女もただで済むと思うな」
杏「A！」
蓮「くっ…」
金城「この子のためにも300万、用意してくれよな？ほら、帰った帰った」
貴「…っ」
私は唇を噛む。もし噛まなかったらきっと私は祐介に助けを求めてしまう。そんな事、絶対にダメ。
貴「蓮…くん、パレスに…」
蓮「！」
祐介「…！？おい、蓮？！」
蓮くんは悲しそうな顔で頷くと祐介の腕を掴んでみんなと店を後にした。みんなが居なくなった途端、腰の力が抜けてその場に座り込んでしまう。
金城「とりあえず向こうの部屋に連れて行ってやれ。後で客を呼ぶ」
男「分かりました」
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作者名：なまこ | 作成日時：2020年9月23日 4時
