その場しのぎで生きてます

二十一 ページ22

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「あそこに見えるのが八百屋さんで、
　その隣にあるのが揚げ物屋さんです！」


私は買い物ついでに千寿郎君に
案内をしてもらっていた


『へぇ〜それにしても人が多いね。
　うっかりはぐれちゃいそう』

「はぐれてしまうと厄介なので
　人混みには気をつけて下さいね！」

『うん、気をつけ……そうだ！手を繋ごう！』

「てっ！？手を繋ぐ！？」

『迷子になったら嫌だし念の為にね！』

「(っ！私はなんて恥ずかしい勘違いを…！)

　そうですよね！念の為に！！」


ｶﾞｼｯ


『(おっ…思ったより力強いな…)
　それじゃ行こっか』

「はい…」


ふふ。なんかこうしていると本当に姉弟みたい…
ってうっわ千寿郎君の手あっつっ！！


「……？どうかしましたか…？」

『いや！？なんでもないよ！！！
　さぁ次のお店行ってみよう！！』






………






一時間後



「これで全部ですね！」

『うん！』


千寿郎君が案内をしてくれたおかげで、
この街の地理をだいぶ理解できた

(途中で煉獄さんとお父さんのお土産も
買ったし……よし！買い忘れは無いな！)


「では帰りましょうか」

『了解！…そうだ！かけっこでもする！？』

「え？遠慮しま

『よーい、ドンッ！』

　って姉上！？転びますよ！」


『へへっそんなドジしなっっぶっっ！』


顎を打った。それはもう強烈に。
まだ脳が揺れている感覚がある。
そして恥ずかしい穴があったら入りたい(切実)


「もう……ほら姉上、立ってください」

『ごめんね…』


差し伸べられた手を掴む。
これじゃどっちが歳上なんだか…ははっ…

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