その場しのぎで生きてます

十九 ページ20

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〈雑貨屋〉



「へいらっしゃい！お？あまり似てないけど
　姉弟かい？可愛いねぇ〜！！」

「？違いま

『へへっそうでしょ。
　私の弟可愛いでしょ(デレデレ)』

　…えぇっ！！？」


千寿郎君はたいそう驚いたようで
私の方を勢いよく振り返り凝視している


「そういえば弟の方はどこかで…
　もしかしてウチに来たことあるかい？」

「はっはい！何度か…」

「おぉ！そりゃどうも！
　それで、今日は何が入り用なんだい？」

「墨とちり紙をお願いします」

「よっしゃ！ちょっと待ってな！」


そう言うと男の人は店の奥に消えた
いかにも商売人って感じのおじさんだったな


「Aさん！」

『ん？どうしたの？』

「さっきのはどういうつもりですか！
　あんな嘘をついて！」


おっと千寿郎君がぷりぷり怒っている
ふざけすぎたかな…


『ごめんね！私兄弟いないから
　弟がいたらこんな感じなのかなって。』

「え……」

『つい調子に乗っちゃった。大丈夫！
　お店の人が来たらちゃんと話するから！』

「……」


(あぁぁ！千寿郎君が俯いてしまった！！)


『本当にごめっ』

「Aさん…」ｶﾞｼｯ


あっ肩掴まれた………って

ヒェー！！！凄い剣幕だ！！
さすが煉獄さんの弟、目力が半端じゃな…


「私は今日一日──



　Aさんの弟になります！」


おっと？何故ここで煉獄さんの顔が脳裏を
チラつくんだろう

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