星に願いを（物理）← 2

☆ ページ29

あなたside




現在、私はluzさんに拉致られてます。



薄暗い体育館倉庫なうでございます。



目の前には苦悩の表情を浮かべた宇宙人。






最悪の状況ですね。




る「お腹空く………けど、食べちゃダメ…」



「あのー、luzさん」



る「ん？」



「口開けてください」



る「あー」




私は片時も離さず持っていたお弁当から
唐揚げを1つの取って、luzさんの口に入れた。



る「もぐもぐ…………美味い」



「やっぱり…」




る「もっとちょうだい」




「私のお弁当が無くなるんだけど」



る「Aをご飯にしてもええけど。」




「分かりました、あげますから！」



お弁当箱を差し出すが何故か一向に受け取ってくれない。



「え、いらないの？」



る「ううん。」




首をふるふると横に振るとluzさんは口をあー、と開けた。



あ、食わせろってこと？




めんどくせぇぇぇ←




る「もぐもぐ」




何この状況。
高身長のイケメンに体育倉庫でお弁当を食べさせている。



マジで何これ！！？




る「これ、嫌い」


「トマトだよ。」


る「ヤダ。」


「白米。」


る「ヤダ」


「ミートボール」


る「ぱくっ。」




多分食えるのは肉なんだろうな。




る「Aいい人。だから食べない。
そらるさんも、まふもセンラさんも…。
あと3人も。食べたらセンラさん、悲しむよね？」



「うん、すごく悲しむと思う。
luzさんだって、一ノ瀬先輩やまふくんが
いなくなったら嫌でしょ？」


る「いちのせ？」


「あ、そらるさんのことです」


る「うん。ヤダ。
もう誰も食べない。」




「ほんと！？」




る「うん。でも条件がある。」



「え？条件？？」





するとluzさんはニヤッと口角を上げた。





る「Aを僕のお嫁さんにする」



「ん！！？」



る「ええやろ…？」



イケメンの上目遣い………くっ、ズルい…←



「私、誰のお嫁さんにもならないから…」


る「えー。…それやったらAのこと食べてしまうかも。」





脅されてる！！
世界一嫌なプロポーズされてるよぉぉ！！？




る「ね？ええやろ？
僕、Aのこと気に入ったん。」


「ちょ、ちょっとまって！なんで顔近づけてくんの！！？」



る「センラさんが昔言ってた。
好きな人には挨拶がわりにこうするんやって。」




luzさんの吐息が鼻にかかる。
キスされる…！




覚悟をきめて目をつぶった。




その瞬間、倉庫の扉が勢いよく開いた。

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