星に願いを（物理）← 2

月が綺麗ですね ページ11

あなたside



センラさんがいた。



どうやって登ってきたかは知らんが、
センラさんがなんかお盆のようなものを持って
いた。



セ「ここ、開けてくれますー？？」

「嫌です。」

セ「ここ、開けてくれますー？？」



あ、これ聞こえてねぇな。



しょうがないので、カーテンを閉めた。←



セ「ええーー！？！」



なんか、聞こえたけど無視無視。
ヘッドホンを装着しよう。



ﾊﾞﾘﾝｯ!!!



ん？
なんか割れた落としたんだけど。
そういう曲だっけ？


セ「晩御飯届けに来たんですけど〜」



うん、分かってたよ君だろうなって。



「ご飯……いらないです。」

セ「食欲無いんですか？」

「…そうです。」


センラさんはお盆を置くと、
私の手を取った。


セ「悩みとか嫌なことあるんやったら
聞きますよ？？」


「センラさんには関係ないです。」


セ「関係ありますよ、一応婚約者ですし。」


「え、いや、もう織姫と彦星じゃないじゃん！？」


セ「でももう離す気ないですし。」



そういうとぐいっとセンラさんの方へ
引き寄せられ、
いわゆるお姫様抱っこされた。


「へ？」

セ「地球人には嫌なことの対処法として
気分転換が1番効果があるそうですね。」

「気分転換？」

セ「Aちゃん、しっかりつかまっといてくださいねっ！！」


「きゃぁぁぁ！！！」


センラさんは私を抱えたまま、
空を飛んだ。



セ「僕の能力は、飛行なんですよ。


目を瞑ってないで、開けてみてくださいな。」


「………っわぁ！」



星が近い。
夜風が気持ちいい。

私どんだけ音楽聴いてたんだろ。



セ「気持ちいいでしょう？」

「うん｣

セ「ふふ、やっと笑ってくれましたね」

「え？」

セ「いえ、なんもないです笑
それより、ほら今日は月が綺麗ですよ。」

「ほんとだ。」


綺麗な満月。
優しく幻想的な光に私は見とれていた。


セ「Aちゃん……いやA。」


突然いつもより低いトーンで名を呼ばれ、
センラさんの方を見る。



セ「月が綺麗ですね。」


優しい笑顔でそう言われる。


「………センラさん、それ意味知ってて…
言ってます？」


セ「何がです？？」


やべぇ、読めねぇ。
この人全く顔に出ない…。


イケメンからこのシチュエーションで
言われたらキュンとくる言葉、
絶対ベスト3に入ってる言葉いいやがって。


セ「顔赤いですよ？ｸｽｯ」

「うっさい、こっち見んな！」




でもよかった。
少しだけセンラさんに感謝だ。

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