ハナミズキ (ページ8)

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○ 7. ページ8

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智洋side

俺がこの胸の傷に出会ったのは８歳の時

それと同時にあることを知ったのも８歳の時

８歳の時には頻繁にAは遊びに来てくれていて

もうすっかり親友になっていた

いや、

その時からもう俺はAのことが好きだったのかもしれない

「ねぇねぇAちゃん

七夕のお願いなんて書いたん？」

「秘密！」

「俺はね、『有名になってAちゃんと結婚する！』」

「え？！私は『神ちゃんのお嫁さんになる』って書いたよ」

「じゃあ俺たち大人になったら結婚しよう！！」

「うん！」

そんな約束までしてしまいました

俺がそんなこと軽い気持ちで約束なんてしちゃいけないことぐらい分かっているはずなのに

たまたま聞いちゃったんだ

『智洋くんの心臓はいずれ成長に追いつけなくなってしまうかも知れません』

『先生…智洋は何歳まで生きられるんですか…』

おかんの震えた声が聞こえて予想もしていなかった桐山先生の言葉が帰ってきた

『20歳まで生きれるかどうか…』

それを聞いた時俺はまだ『死ぬ』ということの意味をよく理解してなかった

今の俺は17歳

流石に『死ぬ』という意味もわかる

俺に残されたタイムリミットは残り3年

この残された時間を俺はきっとAに使う

こうして普通に、普通の男子高校生として生活して俺は死にたい

人間はいつか死ぬ

でも俺がほかの人たちと違うところは『いつ死ぬかが分かっていること』

だから大切なのはその日をどう迎えるか

俺はこの人生を楽しく悔いなく終えたい

そのために俺は今この瞬間を全力で楽しんでやるんだ

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