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神山side
Aに別れを告げてから自分の中で
『これでいいんだ、これで…』
ずっと唱えていた
でも、告げた時のあの彼女の驚きと悲しみの顔が忘れられない
俺が後悔しちゃいけないって思ってるけど
後悔しないなんて無理なことで
今まで積み上げてきたこの十何年間の楽しかった思い出をすべて踏みにじった感じがして罪悪感すら感じた
そんな中流星に言われた言葉ひとつひとつが本当に響いた
あんまり得意ではなかった流星だけど
あの流星の真っ直ぐな瞳に嘘は感じ取れなかった
後悔はしたくなかった
俺は意をけしてAの家へ向かった
『小瀧』と書かれる立派な家
その前に着いたもののそこから彼女を呼ぶインターホンにはなかなか手を伸ばせなかった
「…神ちゃん?」
後ろから聞こえた声
「あ、のんちゃん…」
そこに居たのはAの弟、のんちゃんこと望だった
サッカーの帰りみたい
それにしてもまた身長が伸びていて知らぬ間に身長抜かれてるやん俺(笑)
「姉ちゃんに用やろ?呼んでこよか?」
「いや…」
「ふーん、じゃ」
のんちゃんは足早に家の中へ入っていった
前より冷たいやん、反抗期か?なんて思っていた
やっぱりインターホンを押すことは出来なかった
帰ろうとした時に「神ちゃん…?」
ココ最近聞けてなかった一番聞きたかった声が聞こえた
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作者名:raf. | 作成日時:2017年11月16日 21時