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智洋side
「寒い…」
季節は秋の終わり
寒さ対策も何もせず待つ俺に冷たい風が突き刺さっていた
「…雨やん……」
バックの中にはいつも入ってるはずの傘がなくて
携帯の電源が切れててAに連絡することも出来ず
どんどん強くなる雨にひたすら耐えながらAを待った
「ごめんーーー!!」
何故か傘を手に持ち走ってきたA
「遅い…」
「ごめん!淳太に捕まっちゃって…
傘ないの?今日天気予報で降る言うてたやん!」
「誰のせいでこんな濡れたと思てるねん」
「ごめんって、もう怒らんといてよ〜」
些細な喧嘩をして結局Aの傘にふたりで入って家へ帰った
「じゃあね」
「え、傘?」
傘を借りずに帰ろうとすると止められた
「いいよ」
「何強がってんの?すぐ風邪ひくんだからほら、明日返してくれればええから」
半ば無理やり渡されお礼を言って俺は彼女の傘をさして帰った
でも、周りからの目が痛かった
俺が借りないで帰ろうとした理由
Aの傘がハート柄だったから
そんな傘をさして帰る俺
人の目がとても痛くて本当に恥ずかしかった
でも、嫌じゃなかった
むしろ幸せだった
俺の人生恵まれてるなってハートの傘をさしながら考えていた
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作者名:raf. | 作成日時:2017年11月16日 21時