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○ 13. ページ14

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智洋side









「寒い…」







季節は秋の終わり





寒さ対策も何もせず待つ俺に冷たい風が突き刺さっていた







「…雨やん……」







バックの中にはいつも入ってるはずの傘がなくて







携帯の電源が切れててAに連絡することも出来ず







どんどん強くなる雨にひたすら耐えながらAを待った









「ごめんーーー!!」







何故か傘を手に持ち走ってきたA









「遅い…」







「ごめん!淳太に捕まっちゃって…

傘ないの?今日天気予報で降る言うてたやん!」







「誰のせいでこんな濡れたと思てるねん」







「ごめんって、もう怒らんといてよ〜」







些細な喧嘩をして結局Aの傘にふたりで入って家へ帰った









「じゃあね」







「え、傘?」







傘を借りずに帰ろうとすると止められた







「いいよ」







「何強がってんの?すぐ風邪ひくんだからほら、明日返してくれればええから」







半ば無理やり渡されお礼を言って俺は彼女の傘をさして帰った









でも、周りからの目が痛かった







俺が借りないで帰ろうとした理由








Aの傘がハート柄だったから







そんな傘をさして帰る俺








人の目がとても痛くて本当に恥ずかしかった








でも、嫌じゃなかった








むしろ幸せだった








俺の人生恵まれてるなってハートの傘をさしながら考えていた









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作者名:raf. | 作成日時:2017年11月16日 21時

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